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2024年5月にコーンズ・モータース株式会社は、アメリカ、カリフォルニア州、ロサンゼルスに拠点を置き、空冷ポルシェ911 964型 のレストアを手がけるシンガー・ヴィークル・デザインと日本におけるパートナーシップ契約を結びました。
日本において情報発信を行い、購入・サービス・メンテナンスをサポートいたします。
Singer Track 1|「はじまりは一台の車」 THE CAR THAT STARTED IT ALL では、創業者兼会長のロブ・ディキンソンのポルシェ911との出会いから、Singer Vehicle Designができるまでをご紹介します。


ポルシェ911との出会い
Singer Vehicle Designの創業者兼会長であるロブ・ディキンソン。その人生を変えた衝撃的な出来事は、彼が幼少期に経験したポルシェ911との運命的な出会いでした。
1970年、5歳のロブ少年が家族で南仏をドライブしていた時、「後ろから来る車をみてごらん!」振り向くとものすごい勢いでやってくる車。昼間なのにライトは点灯、ギラギラした目が黄色く光っているように見えた。
リアが下がり、フロントがあがっている車体がその圧倒的なスピードを物語っていた。その車が迫ってくるときの、にやけたボディがなんとも言えなかった。あっという間に過ぎ去った後ろ姿は、まったく別のもののようで、コントラストが衝撃的であった。まるでウィンブルドンの観客のように、ロブ少年は口をぽかんと開けたまま、その車が駆け抜ける瞬間を追うように顔を左から右へ180度振り向かせた。
ロブ少年のお父さんは「あれがポルシェ911だよ!」と言った。
たった数秒の出来事。しかし、それは人生を変えるに十分な時間だった。時に、人生で一度きりの経験が、その人の心に永遠に刻まれる。ロブ少年にとって、その瞬間はまさにそのようなものであり、その出会いが彼の未来を大きく動かす原動力となった。
出典:ONE MORE THAN 10 SINGER AND THE PORSCHE 911  Michael Harley & Rob Dickinson


車と音楽
ロブ・ディキンソンは車好きな幼少期を送っていた。本当は買えないことを内緒に、車を購入したいというお手紙をディーラーに書き、カタログを送ってもらって喜んでいた。その後、音楽も好きになり、14歳頃からギターを弾き始めた。ロブはアート・カレッジでアートデザインを学び、続いてコベントリー大学でデザインを専攻、カーデザイン等を習った後、Lotus社に身を置き、そこで著名な自動車デザイナー、ピーター・スティーブンスやジュリアン・トンプソンなどから学び、経験を得ることとなった。
しかし当時は車のことは大好きだったが、ミュージシャンになる夢を追いたかった。
イングランド東海岸で育ったロブは、毎朝目覚めるたびに広大な北海を見渡し、果てしなく続く地平線を眺める日々を過ごしていた。それは、この世界がいかに大きいかを教えてくれる風景であり、ロブは音楽がこの広い世界へ導いてくれるだろうと確信していたのだ。
ロブはCatherine Wheel という新しいバンドを結成し、ボーカルとして10年ほど世界中をまわり、しばらく活躍したのち、1996年には自分でポルシェ911(1987年 911 Carrera Coupe)が買えるようになっていた。それは南仏でのポルシェ911との出会いから20年の月日が経過した時だった。

911の魅力
911のオーナーとなってみて、さらに911の魅力に取りつかれたロブは特に初期のモデルに興味を持った。その後、イギリスで偶然出会った1台のレストア途中のポルシェ2.4Sクーペを手に入れる。バンド活動で世界を飛びまわる合間に少しずつ手を入れ、車を蘇らせていくのだが、そのポルシェは、イギリス国内に現存するわずか12台の右ハンドル仕様の1台であり、驚くべき希少価値を持つものだった。
2000年にバンドメンバーは別々の道を歩み、ロブは音楽のソロ活動をしに、単身アメリカに渡った。音楽活動に費やす時間が減ってきた一方で、同時に車に対する情熱が再熱していき、アメリカでポルシェ356を購入し、2台目のレストアが始まった。LAは車のレストアにぴったりな環境であった。
ロブは911の中で初代が好きだった。1969-1970年の車は軽く非常に重要な要素を持っていた。
そんなときに、出会ったのがバハマイエロー、1969年のポルシェ911だった。レストアすることを知っていた前の持ち主から、エンジンとギアボックスがない状態で購入し、1978年式911SCから付け替えた。

ロブのバハマイエロー Porsche 911
ロブはLAで一緒にレストアに取り組んでくれる会社を探し、長い時間をかけ、日常にも使える車のカスタムとレストレーションを目指した。完成した車をイベントやミーティング、南カルフォルニアのサーキットにも乗っていった。車はやがて評判を呼び、インターネットでも話題にされた。雑誌にも取り上げられ、正しい美的感覚を持つ車は、ポルシェファンだけのものではないことを証明した。
その後、エンジン回りの細部までレストアされ、1997年製のポルシェ911の空冷水平対向6気筒が搭載されている、1972年のPorsche 911に乗った。この車に寄せられた深い情熱が感じられた。ロブが乗っていた車の雑なエッジ周りとちがい、この車は磨き抜かれたダイナミックな走りをし、洗練されていて躍動感のある乗り心地を備え、実に素晴らしかった。
ポルシェ911は、間違いなく世界で最も象徴的なスポーツカーのひとつだ。卓越した信頼性と機能性、圧倒的な動的性能、一目でわかる独特のシルエットを備え、どんな速度域でもドライバーを魅了した。ロブは、自身が手がけるレストアの控えめながらも洗練された美学に、エンジニアリングに裏打ちされた走行性能を融合させることで、その魅力をさらに引き立てられると確信した。

Singerの始まり
ロブはこの始まりを『Down the Rabbit Hole』と表現している。不思議の国のアリスのアリスと同じように、これから起こることはわくわくするし、時には驚くこともあるだろうと。
「Singer」の名前は、ル・マン24時間レースでのポルシェの勝利に貢献したポルシェのエンジニア、Norbert Singer(ノーバート・シンガー)と、バンドCatherine Wheel(キャサリン・ホイール)でライター兼リードシンガーとして活動していたロブに由来している。また、これはフラット6エンジンの素晴らしい音色へのオマージュでもある。
Singerの哲学は、次のシンプルなフレーズに集約されている。
A RELENTLESS PURSUIT OF EXCELLENCE

次号はSingerの車の魅力をお伝えします。

Singer Vehicle Design |シンガー・ヴィークル・デザイン
アメリカ・カリフォルニア州、トーランスに拠点を置く、空冷ポルシェ911のレストアを手掛ける会社は2009年に創業しました。再構築したポルシェ911はディテールを徹底的に追求し、現代的な技術と美学で再構築し、レストアすることで知られています。


シンガーは、ポルシェカーズノースアメリカ、またはDr. Ing. h.c. F. Porsche, AGの後援、関連、承認、支持を受けたものではなく、いかなる形でも提携するものではありません。 Dr. Ing. h.c. F. Porsche AGは、ポルシェ クレスト(Porsche Crest®)、ポルシェ(Porsche®)、911などのポルシェ車の型番、名称、特徴的な形状を含むがこれらに限定されない、登録および未登録の多数の商標の所有者である。 ポルシェカーズノースアメリカ、またはDr. Ing. 商標名またはその他のマークは、参照のみを目的としています。


レストアサービス

シンガーはポルシェ911 964型をベースにオーナーの要望の元にレストアします。

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